大葉

奈良の「三輪そうめん」、香川の「小豆島そうめん」に並んで、日本三大素麺に数えられる兵庫の「揖保の糸」は、「夏はやっぱりこれ」という人も多いのではないでしょうか?

全国一の生産量を誇る素麺の代表格で、龍野地方を流れる揖保川(いぼがわ)から名付けられています。

「揖保」は、古くは「いひほ」と呼ばれていたようで、ごはん粒を意味する「粒(いひほ)」を意味するのだとか。古くから稲作がさかんだったことをうかがわせる地名ですよね。

ということは、「揖保乃糸」は「お米から生まれた糸」ということになるでしょうか。夏は冷やしそうめん、冬はにゅうめんと一年中楽しめる一品です。

贈り物に利用される揖保の糸は「特級品」(黒帯)

揖保の糸は以下のような等級に分けられています。いろいろありますが、プレゼントの際は「黒い帯」と覚えておけばOK。

特級品(赤帯)
スーパーでもよく見かける、手延べそうめんの佳品です。10月末~3月末の間に2昼夜夜36時間かけて作られます。

熟成麺(金帯)
厚生労働省認定の国家資格「手延製麺技能士」発足を記念して生まれた素麺です。限定生産なので、取り扱いも少なく、知る人もあまりいないかも。揖保乃糸本来の味が楽しめる一品です。

生産時期は12月~2月で、専用倉庫で1年間熟成されます。

播州小麦(緑帯)
兵庫県内で生まれた播州小麦を使用して作られる手延べそうめんです。もちもちとした触感と播州小麦独特の風味を楽しむことができます。

生産時期は11月~翌3月。

縒(より)つむぎ(紫帯)
国内産小麦100%使用の素麺です。

国産というと、以前はたんぱく質含有量が少なく品質もバラバラだったので加工するには使い勝手が悪いものが多かったようですが、近年は国内産小麦も品質が向上し、再評価されています。外国産小麦にはないモチモチした食感が生まれるのが特長。

縒つむぎも、絹のような輝きとモチモチの食感が特長で、小麦本来の風味が楽しめる一品です。

生産時期は12月~3月。

特級(黒帯)
厳選された小麦粉と天然塩を使用した素麺です。生産時期は厳しく決められていて、12月から2月末の厳寒期に熟練工場に限って生産される高級品です。

贈答に利用されるお素麺としても知られる一品です。

三神(さんしん)(黒帯)
数軒の選抜指定された熟練生産者にしか作ることが許されていない特別な素麺です。

揖保乃糸でも極めて少ない生産量なので、一般では手に入れることはできません。専門店に問い合わせる必要があります。

生産時期は12月下旬~翌2月上旬。

ちょっと通な選び方は「古」(ひね)を選ぶべし

手延べそうめん「揖保乃糸」は、等級の他に「新物」と「ひね物(古)」の区別があります。「新物」は、その年に製造されたものですが、「ひね物」は管理された倉庫で一年間ねかせて熟成させたものを言います。

冬に作られた揖保乃糸は、梅雨を越してじっくりねかせることで湿気を吸い、熱を出します。

この熱によって原料の小麦に含まれる酵素が働くので、油の臭みが抜け、麺に旨みが出てコシが強くなり、素麺の食感がよくなっていくのです。

お年を召した方は、やはり「ひね物」のよさをご存じなので、贈り物に選ぶと喜ばれますよ。

上級品と特級品にそれぞれ「ひね物」があります。

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